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iPhone OS(OS X iPhone)(アイフォーンオーエス)

iPhone OS(OS X iPhone)とは、アップルのスマートフォンであるiPhoneや、デジタルメディアプレーヤのiPod touchに搭載されているオペレーティングシステム。

Mac OS X v10.5開発プロジェクトから派生して開発された、iPhoneおよびiPod Touch の専用OSである。カーネル(XNU)の上に、Cocoa TouchやCore Animationといったアプリケーションフレームワークが載っているなど、Mac OS Xに似た構成になっている。マルチタッチパネル、加速度センサなどを生かした、従来の携帯電話にはない特徴的なユーザインターフェイスで注目を集めている。

当初はユーザによるアプリケーションの追加は認められていなかったが、2008年6月よりSDKが整備され、App Storeで自由にアプリケーションを追加できるようになっている。iPhone SDKの登場により、Cocoaフレームワークと開発言語としてのObjective-Cが改めて注目されることとなった。iPhoneはJava仮想マシン、Carbonを搭載しておらず、iPhone向けネイティブアプリケーションの開発にはObjective-Cの習得が必須となる。カーネルはマルチタスク対応だが、バッテリやメモリ容量の制約から、1度に起動するアプリケーションは1つに限定されている。
アプリケーションソフトウェア

iPhone/iPod touch用のサードパーティアプリケーションはApp Store経由で配布・販売されている。
当初はセキュリティ上の理由から、Webベースのアプリケーションのみが認められていた。しかし、2008年6月からは開発者にネイティブアプリケーションソフトウェア開発キット(SDK)が提供され、iPhone 3Gの発売(同年7月)と同時にApp Store経由でのサードパーティアプリケーション配布が開始された。

SDK
iPhone OSの SDK は以下のコンポーネントを含む。

Cocoa Touch
マルチタッチ機能の制御、加速度センサ、View hierarchy、言語サポート、カメラ

メディアコンポーネント
OpenAL、オーディオと録音、ビデオフォーマットおよびイメージフォーマットのサポート、Quartz、Core Animation、OpenGL ES

Core Services
ネットワークサポート、アドレスブック、SQLite データベース、スレッド、Core Location

カーネル
TCP/IP、ソケット、パワーマネージメント、ファイルシステム