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Twitter×iPhoneが切り開く新情報時代(2P) [Twitter×iPhone]

投稿日時:2009/11/09(月) 00:00

「ビジネスパーソンのための「Twitter」論」

2009年11月9日(月)

Twitter×iPhoneが切り開く新情報時代

ITジャーナリスト・林 信行氏

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 Web2.0以前は、人々はインターネット上の情報に飢えていた。しかし、Web2.0時代になると、情報があふれ始めた。ブログやSNSが登場し、個人が気軽かつ簡単に他愛のない情報でも発信できるようになった。米グーグルを使って世界の隅々から、自分が欲しい情報を瞬時に引き出して見られるようになった。それ以外にも、日々、電子メールやニュースサイト、インスタントメッセンジャーなどから膨大な情報が降ってくる。

 欲しい情報だけが増えたわけではない。増えた情報の大半は、迷惑メールや見たくもない広告、重複情報といったユーザーが関心を持たない情報、欲していない情報だ。これらの情報によって、ユーザーが本来望んでいる情報がどんどん埋もれていくことになる。

 我々はまさに、情報という泥沼に溺れようとし始めている。実はそんな中で重要なのは、「レリバンシー(relevancy=関連性)」の高い情報、つまり、自分に関連のある情報、自分にとって重要な情報を、うまく見極めることだ。

 実はTwitterの強みは、そこにある。

 

重要情報を絞り込む「時間軸」

 

 人と情報とのレリバンシーの計り方には、いくつかの基準軸があるが、筆者はそのうち「時間軸」「親密軸」「空間軸」の3つに注目している。

 これまでのWeb2.0系サービスは、「時間軸」と「親密軸」で関連性を見ることができた。1つ目の「時間軸」とは、時間に沿って情報を並べられる、それも最新情報から選べるということだ。「昨日起きた事件」と「今まさに起きている事件」を比べると、多くの人は後者に関心を持つはずだ。既に終わってしまったスポーツの試合と、今まさに熱戦が繰り広げられている試合でも同じだろう。

 ブログの成功には、いくつかの要因があるが、その1つは情報の並び順だ。それまでの多くのメディアは、「読者は時系列に沿って情報を読みたがる」と想定し、記事を時間の流れに沿って、古いほうを先に並べていた。しかし、ブログでは情報を記事単位に区切り、最新情報を一番上に並べた。これによって読者は、古い方から時間軸に沿って並べられた巨大で連続的な情報ではなく、最新の記事だけを拾い読みすることができるようになった。SNSもこの「新しい情報が上」の構造をそのまま真似た。

 そしてTwitterも同様に、「新しい情報が上」という構造を取り入れている。TwitterがブログやこれまでのSNSと違うのは、情報を140文字単位に区切ったことだ。短く区切ると、さらに情報の鮮度が上がる。

 情報の塊が大きくなればなるほど、塊の中に含まれる時間の幅も広くなる。例えば、掲載されたばかりのブログ記事でも、30分かけて書かれた記事なら、時間軸は30分巻き戻されることになる。これに対してTwitterの140文字のコミュニケーションでは、数秒から数分前の情報が活発にやり取りされる。

 これは人々の間に会話的やり取りを発生させるテンポ感だ。

 

親密性の高さが重要に

 

 次に、筆者が「親密軸」と呼んでいる軸がある。見ず知らずの人に起きた出来事と、知り合いに起きた出来事では、関心の持ち方が大きく変わってくる。「誰に起こったことなのか」「その人は自分にとって親密なのか」という軸をうまく取り入れたのがSNSだ。SNSでは、友達登録した人の情報を優先的に表示する。

 Twitterもこれは同じだ。全く知らない人が発する情報を見る「パブリック・タイムライン」という機能もあるが、基本は「フォロー」した人の情報を自分の「タイムライン」に表示する。TwitterとほかのSNSが大きく違うのは、友達の登録の仕方である。SNSで友達を作るというのは面倒な作業だ。相手を見つけ出し、知り合いだと確認したうえで、友達登録の承認申請を送る。これを相手が承認してくれて、ようやく友達登録が完了する。

 一方、Twitterでは、まるで食べ物に入れる薬味を選ぶように、自分の好みで一方的に友達を登録(フォロー)できる。しばらく、Twitterを使ってみて、自分のタイムラインがモノ足りないと感じたら何人か追加でフォローできるし、情報が多すぎると思えばフォローを外せばよい。ちょうどいい味わいになるように薬味の量を調整するようなものである。

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